バレエの下肢障害 オスグッド病

投稿:2022.05.18 / 16:53 

バレエの下肢障害 オスグッド病

オスグッド病とは

このような症状があるようでしたら、オスグッド病の可能性があります。

  • ジャンプをするとお皿の下の骨が痛い
  • プリエをするとお皿の下の骨が痛い
  • お皿の下の骨が痛くて深くしゃがみこめない
  • お皿の下の骨が痛くて正座ができない
  • 走るとお皿の下の骨が痛い
  • お皿の下の骨が出っ張ってきた

オスグッド病は、膝のお皿(膝蓋骨)の下の、スネの骨の出っ張った部分(脛骨粗面)が膝蓋靭帯に引っ張られて炎症を起こしている状態で、症状が進むと骨端軟骨の一部に剥離を起こしてしまう状態にもなります。

骨端線の見える成長期に多い理由は、この時期に繰り返し激しい運動をすると、モモ前の筋肉(大腿四頭筋)が強くなり、その筋力に成長過程の柔らかい骨が耐えきれないためです。

サッカー、バスケットボール、バレーボールなど、走ったりジャンプをしたりすることの多い12~13歳の男子に多く発症します。
また、上記のスポーツの他に、バレエ、新体操、チアダンスなどの競技をしている女子にも発症することはあり、女子の好発年齢は11~12歳と男子より少し早まります。
そして体重が重い子どもの方が発症しやすいというエビデンスもあります。

痛みが強いと少ししゃがみこむだけでも痛むので、スポーツを思いっきりすることは難しくなります。
運動能力が一生のうちで最も伸びると言われているゴールデンエイジの時期である10~13歳頃に、全力でプレーできないことはとても残念なことです。

そして多くは成長期を過ぎるとほとんどのケースで痛みはなくなりますが、膝下の骨が出っ張ってしまったままの状態が一生残ってしまうこともあります。

子供は痛みを我慢してプレーしていることがありますので、重症化させないためにも親や指導者が子供の異変に気が付いて、初期症状の段階で対処しなければいけません。

オスグット病の発症メカニズム

オスグッド病の発症メカニズムは以下のようになります。

足関節が過回内する(足首が内側へ倒れ込む)

大腿四頭筋、下腿三頭筋、股関節外旋筋が硬くなる

骨盤が後傾する(骨盤が後ろに傾き猫背姿勢になる)

骨盤から始まる大腿直筋が引き伸ばされ、緊張が強くなる

大腿四頭筋の末端は膝蓋靭帯となり、その膝蓋靭帯が脛骨粗面を引っ張る

脛骨粗面への裂離ストレスで、オスグッド病が発症する

オスグッド病になりやすい子供の姿勢

オスグッド病は成長痛だからしょうがない、時期が経つと治るなど、軽視した診断をされるケースもあります。
ですが、スポーツをしている子供全員がなるわけではありません。

オスグッド病になりやすい子供の姿勢の特徴は、骨盤後傾(骨盤が後ろに傾く)して、背中は猫背傾向にあることが多いです。

骨盤が後傾すると、大腿四頭筋の中でも最も長く強い筋肉である大腿直筋の起始停止の距離が長くなります。
ということは、大腿直筋に強い牽引ストレスが発生するため、大腿直筋が付着する脛骨粗面に裂離ストレスがかかります。

また最近は、スマホやゲームのやりすぎで猫背になっている子供を多く見かけます。そして猫背になると骨盤は後ろに傾きやすくなります。

バレエでの症状は

バレエは、プリエなど膝を曲げる動作とジャンプ動作が多いため、成長期の子供たちにオスグッド病を発症するリスクがあります。
オスグッド病は男子の方が発症しやすいですが、女子に発症することもあります。

オスグッド病の初期は、プリエやジャンプなどレッスン中は痛むが、日常生活に支障が出ることはあまりありません。
ですが悪化してくると、軽くしゃがむだけでも痛い、小走りするだけで痛いなど、日常生活に支障が出てきます。

こうなってくるとレッスンを長期に休むことになりかねませんので、初期症状の段階で対処しなければいけません。

バレエでのオスグッド病の原因

  1. 過回内足(オーバープロネーション)で内側の土踏まずが潰れている。いわゆる偏平足の足をしている。
  2. 足関節底屈可動域が少ない。足首が硬くてつま先が伸びない、甲が出ないようなタイプの足をしている。
  3. 股関節外旋可動域が少ない。アンディオールの可動域が狭い。膝が外に向きづらいタイプの股関節をしている。
  4. オーバーターンアウトしている。膝の向きとつま先の向きが合っていない。膝の向きよりもつま先の方がターンアウトの角度が大きくなっている。
  5. 体幹の安定性(コアスタビリティ)の低下。体幹が弱いのでお腹の引き上げが苦手なタイプ。
  6. 骨盤の歪み。バレエでは骨盤が前傾し腰が反る、そしてお尻が後ろを向いてしまっているタイプが多い。
  7. 間違った動作。カマ足、逆カマ足に多く、ふくらはぎの筋肉を正しく使えていない。
  8. 足裏の筋力が弱いので、ふくらはぎの筋肉に負担が増える。
  9. コンクールに向けて、発表会に向けてなど、急にレッスン量が増えた。
  10. 最近体重が増えてしまった。

エコー検査により患部を正確に把握

当院では、施術者の手を使って行う徒手検査と、超音波画像診断装置であるエコー検査を行っております。

プロスポーツの現場では常識となっているエコー検査ですが、一般的な多くの整骨院、整体院では行われていないことが現状です。
徒手検査で見落としがちな患部の状態も、エコー検査を行うことで骨や筋肉、靭帯の損傷を詳しく画像として視覚的に把握することができます。

オスグッド病を早く治すためには、エコー検査を用いた早期発見と、正確な損傷部位の把握は必須だと考えます。

オスグッド病の治療法

オスグッド病の治療は、痛みを早く取り除くための患部の治療と、オスグッド病を再発させないための身体づくりの両方が必要だと考えます。

患部の痛みを早く取り除くためには、軟部組織の癒着を剥がす整体テクニックがとても効果的です。併せて衝撃波(圧力波)による治療を行うと更に早期回復が見込めると考えます。

そしてオスグッド病を再発させないための身体づくりに対してはバレエ整体やバレエピラティスを行っていきます。
クライアント様とカウンセリングを行いながら、以下の施術方法を組み合わせ、最善の方法を選択し、早期回復を目指します。

治療法

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