バレエで膝の内側が痛くなる原因とは?
バレエのレッスン中に膝の内側が痛くて困りではありませんか?
✅ジャンプの踏み込みや着地で膝の内側が痛い
✅プリエなど膝を深く曲げると膝の内側が痛い
✅5番ポジションに深く入れると膝の内側が痛い
✅内モモ、裏モモのストレッチをすると膝の内側が痛い
✅ジャンプの連続で膝の内側が痛くなる
✅ポワントワークをすると膝の内側が痛くなる
膝の内側が痛くなる疾患として鵞足炎、タナ(棚)障害、内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷などがあります。
膝内側の痛み1)鵞足炎
鵞足炎とは
鵞足とは膝の内側の下方、脛骨上端の内側の隆起した部分で、この部分には内ももから裏ももにある縫工筋、薄筋、半腱様筋が付着します。
そしてこの部分がガチョウの足に似ていることから鵞足炎と呼ばれています。
鵞足炎とは鵞足部の腱鞘炎、又は滑液包炎を引き起こしている状態です。
鵞足炎の症状
・5番ポジションに深く入れると膝の内側が痛い
・ドゥミプリエの時に膝の内側が痛い
・ジャンプの着地の時に膝の内側が痛い
・内もも、裏もものストレッチをすると膝の内側が痛い
・レッスン後など膝の内側に腫れと熱感がある
・の時に膝の内側がコキコキと音がする
膝内側の痛み2)タナ障害(棚障害)
タナ障害とは
膝関節を覆っている関節包に滑膜ヒダと呼ばれる棚のような形状をした組織がいくつかあり、特に膝の内側にある内側滑膜ヒダは形状も大きく、大腿骨と膝蓋骨(お皿)に挟まって炎症が起こり痛みを生じます。
タナ障害の症状
・膝の曲げ伸ばしで膝の内側にポキポキ音がする
・プリエをすると膝の内側が引っかかる感じがする
・ジャンプの踏み込みの時に膝のお皿の内側が痛い
・プリエをすると膝の内側に何か挟まっているような違和感がある
膝内側の痛み3)内側側副靭帯(MCL)損傷
内側側副靭帯(MCL)損傷とは
膝の靭帯損傷の中で最も発生頻度が高く、バレエの場合はジャンプの着地の際に損傷することが多いです。
損傷の重症に度によりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類します。
側副靭帯(MCL)損傷の症状
・ジャンプの着地をした瞬間から膝の内側が痛くなった
・膝の内側に熱感や腫れがある
・膝の内側が痛くて深くしゃがめない
・体重をかけると膝の内側が痛い
・膝の内側に歩行時痛がある
膝内側の痛み4)内側半月板損傷
内側半月板損傷とは
内側半月板損傷はバレエの場合ではジャンプの着地の際に損傷することが多く、内側側副靭帯(MCL)損傷、前十字靭帯(ACL)損傷と合併して発症することもあります。
内側半月板損傷の症状
・ジャンプの着地をした瞬間から膝の内側が痛くなった
・膝の曲げ伸ばしで膝の内側が引っかかる
・膝の内側に熱感や腫れがある
・膝の内側が痛くて深くしゃがめない
・膝の内側に歩行時痛がある
バレエダンサーが膝の内側や膝裏のケガをしやすい理由
膝のケガで悩まれているバレエダンサーはとても多く、膝は足首周囲の次に多くケガを発症する部位となります。
膝関節は蝶番関節と言い、曲げ伸ばし(屈曲と伸展)が主となる関節で、捻じれる方向には殆ど可動性がありません。
ですが、常にアンディオールしているバレエの動きでは、膝関節に捻じれが生じやすい状態となり膝の内側から膝裏にかけて引っ張りの負荷が強く掛かります。
ジャンプなどで膝に捻れる外力が強く掛かる、若しくはプリエやタンジュなどで繰り返しの捻れる外力が掛かり続けることで、膝の内側から膝裏にかけてのケガを発症してしまいます。
オーバーターンアウトや膝下ターンアウトが膝の内側や膝裏への負担を増強させている
正しいターンアウトとは膝のお皿と足の第2趾が同じ方向を向いている状態です。
ですが中々このような状態は難しく、実際は膝のお皿の向きより足先の方が大きく外へ開いている場合が殆どではないかと思います。
そしてこのような状態をオーバーターンアウト、又は膝下ターンアウトと言います。
なぜ膝のお皿の向きより足先のを外へ向けることができるかと言うと、それは足の裏と床の間での摩擦を利用して立っているからです。
そして床の摩擦を使い立っている状態で、膝のお皿の向きより足先の向きが10°以上開いていればオーバーターンアウトしている状態になります。
できるだけターンアウトの角度は広くみせたいので、実際は20~30°オーバーターンアウトしている人が多い現状があります。
ジャンプ着地の際の「かかと前へ」は要注意!
膝関節はジャンプの着地時が最も衝撃が強く掛かるためケガが多く発生します。
バレエの先生からジャンプの着地の時に「かかとを前に」と指導されることがあるのではないかと思いますが、これは結構危険なことなので注意しなければいけません。
着地時に股関節からターンアウトできていれば良いのですが、股関節からターンアウトできておらず、かかとだけ前に出した状態で着地すると膝関節に強い捻じれが発生しケガをするリスクがとても高くなります。
股関節からしっかりターンアウトすることを意識した「かかとを前に」を行うようにしましょう。
まとめ
膝は捻れる外力に非常に弱い関節でケガの原因となります。
オーバーターンアウト、膝下ターンアウトでバレエをしないこと気をつけると膝のケガを減らすことができると考えます。
膝のケガは前十字靭帯の断裂など手術が必要な大けがや、変形性膝関節症など症状が慢性化してしまうものなど、バレエを長期的に休まなくてはいけなくなることもあります。
そうならないためにも普段のバレエ姿勢やバレエ動作が正しく行えているかを見直してみると良いのではないかと思います。
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