股関節の付け根の詰まりや痛みが中々治らずお困りの方へ

股関節の付け根の詰まりや痛みが中々治らずお困りの方へ
当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。
バレエ障害治療の専門家、伊集院です。
当院には、股関節の付け根の詰まりや痛みが中々治らず来院される方がとても多くいらっしゃいます。
そして、これらの症状は大きく分類すると4つのパターンがあり、それぞれの原因や対策を、私の臨床上の経験も踏まえて解説していきます。
動足側(高く上げた側の足)の股関節の付け根が痛い
デベロッペで前や横に脚を上げる時や、キープする時に、股関節の付け根が痛い・・・
このようなお悩みありませんか?
動足側(高く上げた側の足)の股関節の付け根の痛みは、年齢にあまり関係なく、中学生以上の学生さん、大人バレエさんにとてもとても多く発症します。
このような股関節の付け根の詰まりや痛みはどこが痛んでいるのだと思いますか?
骨だと思いますか?
筋肉だと思いますか?
これは殆どの場合が前モモの筋肉の腱の部分が痛んでいます。
前モモ筋を使いすぎているために腱鞘炎を起こしている状態なのです。
そして前モモ筋の腱鞘炎の対策は主に3つあります。
・1つ目は前モモ筋のストレッチや筋膜リリースです。
・2つ目は骨盤の前傾や反り腰を修正することです。
・3つ目はアンディオール可動域を広げるトレーニングをすることです。
この症状はほったらかしにしていると何年も治らないで慢性化してしまうこともよく起こりますので早目の対策が必要です。
セルフケアで中々改善しない場合は、早めに整形外科や整骨院に受診されることをおすすめします。
軸足の股関節の付け根が痛い大人バレエさん
・片足で立った時に軸足側の股関節が痛い・・・
・股関節の付け根が痛くてグランプリエができない・・・
・レッスンの後、股関節が痛くて足を引きずってしまう・・・
大人バレエさんの方でこのようなお悩みありませんか?
体重をかけた際や、動き始めの時の軸足側の痛みの原因は、骨や関節に問題がある可能性があります。
特に40歳以上の方は変形性股関節症の可能性があるので要注意。
過去に臼蓋形成不全の診断を受けたことがある方は更に要注意です。
そして変形性股関節症はグレード1、2、3、4に分類され、基本的には悪化をたどっていく進行性の疾患で、
グレード4レベルまで病態が進行してしまうと、人工関節になってしまう可能性が高くなります。
症状が悪化していくスピードは日々の過ごし方や、治療やリハビリの有無などで、かなり個人差があります。
変形性股関節症はできるだけ初期の段階で、適切な治療やリハビリ、トレーニングを行っていくことが、病態を悪化させないポイントとなります。
症状が悪化しなければ、大好きなバレエを続けていくことも可能ですので、
まずは早めに医療機関で検査を行い、適切な治療とリハビリを行うことをおすすめします。
裏モモの付け根、内モモの付け根が痛い
・縦開脚(スプリッツ)をした時に裏モモの付け根がピキッと痛い。
・横開脚をした時に内モモの付け根がピキッと痛い。
・ドゥバンやアラセゴンドに足を上げた時、裏モモの付け根や、内モモの付け根が痛い。
このような股関節の付け根の痛みは肉離れの可能性が高いです。
肉離れの症状は軽症(Ⅰ型)、中等症(Ⅱ型)、重症(Ⅲ型)の3つに分類されます。
重症の場合は出血もひどく、歩行も困難になるので、バレエを踊るどころではなく、多くの方は整形外科へ行かれると思います。
軽傷や、軽傷寄りの中等症の方は、痛みを我慢しながらレッスンをされている方が多く、これが症状を悪化させ、治りを遅くさせてしまう原因となります。
肉離れの再発率は30%と言われており、とても再発リスクの高い疾患です。
3カ月以上痛みが続いている、中には1年上痛みが続いている方もいて、このような場合は再発を繰り返している可能性が高いです。
再発を繰り返していると、筋肉の出血が固まって、コリッとした硬い組織になり痕化してしまいます。
そして瘢痕化した組織が元に戻ることは中々困難となり、更には瘢痕化が原因となり筋肉の癒着が起こります。
筋肉の癒着は柔軟性を低下させてしまうので、
・開脚が開かなくなる
・足が高く上がらなくなる
などバレエダンサーには致命的な事態となってしまいます。
致命的な事態を避けるためにも、肉離れかな?と思ったら早めに整形外科や整骨院に受診されることをおすすめします。
股関節の後ろ、お尻が痛い
・アンディオールすると股関節の後ろが痛い
・無理して5番ポジションに入れると股関節の後ろが詰まって痛い
・レッスンの後にお尻が凝り固まって叩きたくなる
このような股関節の後ろの詰まりや痛み、お尻の痛みやコリは、アンディオール筋である外旋六筋が過剰に緊張していることが原因です。
良好な筋肉の状態とは、しっかり縮んで、しっかり伸びることです。
アンディオールを無理に頑張りすぎると、アンディオール筋である外旋六筋が縮みっぱなしの状態になっています。
この状態だと骨盤と股関節を締め付けすぎてしまうので、痛みを生じるだけではなく、
逆にアンディオール可動域を制限してしまいますので要注意です。
症状を改善する対策としては、
・体幹を引き上げて股関節周りの力みを抜く
・レッスンの時にアンディオールを少し小さくする
・筋膜ローラーなどでお尻の筋肉を緩める
もしセルフケアで改善しない場合は、整形外科や整骨院など専門家にご相談されるとよいと思います。
最後に当院から
当院での股関節の付け根の詰まりや痛みの治療は、
局所治療として手技による筋膜リリース、体外衝撃波治療、ラジオ波温熱療法などを行います。
根本改善を目的としては以下のようなことを主に行います。
・骨盤矯正で骨盤の前傾や反り腰を治す
・ピラティスで体幹を強化し身体を引き上げる
・バレエのエラー動作の修正を行う
症状が長引いている方や、整形外科や整骨院通っているが改善が見られない方などはお気軽にご相談ください。
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務める。
『バレエ障害をゼロに!』をミッションに掲げ、ケガから最速でバレエ復帰できるように日々臨床に励んでいる。
バレエ動作修正やトレーニング指導にも定評があり、院内にマシンピラティススタジオを併設し、プロバレエダンサー、ジュニア、大人バレリーナを年間1,000人以上サポートしている。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任
