インナーマッスルを使ってカラダを引き上げよう!
イラスト ゆらい
アウターマッスルを使いすぎていませんか?
筋肉は大まかに体の外側にある筋肉をアウターマッスル、内側にある筋肉をインナーマッスルと分別できます。
アウターマッスルは体の外側にある大きな筋肉でアウターマッスルを使いすぎてしまうと、見た目的には筋肉がモリっと盛り上がって見え、そしてバレエの動きが硬くなってしまいます。
ですからアウターマッスルはあまり使い過ぎたくはない筋肉なのです。
骨盤の前傾、肋骨の開き、反り腰になっていませんか?
身体を引き上げる際に問題になってくるのは骨盤が前傾することによる肋骨の開きと反り腰です。
骨盤が前傾し、肋骨の開きと反り腰の状態になっていると、大腿四頭筋(主に大腿直筋)と脊柱起立筋というアウターマッスルを過剰に使っている可能性が非常に高いです。
骨盤が前傾している方はおそらく前モモがパンパンに張って、前モモと外モモがモリっとしており、背中や腰にも張りを感じていることでしょう。
そしてこの状態では股関節の前側と腰部が詰まってしまうので身体を引き上げることが困難となってしまいます。
身体を引き上げるために必要なことのまとめ
・バレエをする際の骨盤の正しい位、骨盤のプレースメントを知ること
・骨盤を正しい位置でコントロールする能力を身につけること
・骨盤の前傾、肋骨の開き、反り腰を治すこと
・股関節の前側と腰部の詰まりを取り除くこと
次にそれらをマスターするためのエクササイズとストレッチを紹介します。
スリーマンスポジションのワーク
ここではリブフレア(肋骨の開き)と胸郭の動きの改善したいため胸式呼吸で行います。
1)
仰向けで寝て手を前にならえの位置に、足の位置を股関節屈曲90°膝関節屈曲90°スネが床と平行にします。
そしてお腹を少し凹まして腰と床の間の隙間をなくします。
このポジションを3カ月の赤ちゃんの形という意味でスリーマンスポジションと言います。
2)
スリーマンスポジションをキープしたまま胸式呼吸を10回くらい繰り返します。
上部の胸郭のタテ方向への広がり、下部の胸郭のヨコ方向への広がりを感じましょう。
必ず腰と床の間の隙間をなくした状態をキープして行ってください。
3)
スリーマンスポジションが楽にとれるようでしたら、スリーマンスポジションをキープした状態で息を吐きながら手をバンザイの位置に持っていきます。
途中で腰が浮きそうになったら無理にバンザイの位置まで持っていかずにその位置で止めます。
そして息を吸いながら手を前にならえの位置に戻します。
これを10回くらい繰り返してみましょう。
必ず腰と床の間の隙間をなくした状態をキープして行ってください。
ペルビックティルト
1)
大きく鼻から息を吸って胸郭を広げます。
2)
息をゆっくりと口から吐きながらドローイング(お腹を凹ます)します。
主となるターゲットは腹部インナーマッスルの腹横筋です。
3)
ドローイングと同時に足の裏3点(母指の付け根、小指の付け根、踵)で床を踏みます。
この際にハムストリングスと内転筋に軽く力が入っていると正しく床を踏めています。
4)
足の裏3点で床を踏むと同時に肛門を閉めます。
この際のターゲットは腹部インナーマッスルの骨盤底筋です。
1~2センチくらい骨盤を後傾するイメージで行います。
5)
息を吐きながら1)~4)の動作を5秒間キープしてください。
息を吐ききったらリセットして再度同じ動作を10回くらい繰り返します。
みぞおちのスイッチ
大腰筋を刺激して上半身と下半身の動きを繋げやすくします。
1)
みぞおちの位置はお臍から4横指上にあります。
2)
みぞおちに両手の指先を当て軽く押し込みます。
3)
指先を押し当てたまま左右に3回ずつ身体を倒します。
この際に身体が反らないように気を付けて真横に倒してください。
4)
指先を押し当てたまま前に3回身体を倒します。
みぞおちをしまい込むイメージで行ってください。
5)
指先を押し当てたまま後ろに3回身体を倒します。
みぞおちの真後ろを支点にして体が上に伸びるように小さく反らします。
6)
最後にもう一度、指先を押し当てたまま前に3回身体を倒します。
みぞおちをしまい込むイメージで行ってください。
前モモ、大腿直筋のストレッチ
1)
仰向けに寝て伸ばしたい側の膝を曲げ、お尻に踵を近づけていきます。
2)
左右の膝を近づけるとストレッチ感がアップします。
3)
腰が反らないようにお腹を凹まして床との隙間を埋めるとストレッチ感がアップします。
立位でも同様の手順でストレッチを行うことができます。
股関節前側の付け根、大腰筋のストレッチ
大腰筋は腰の最も深層にある筋肉ですので体表から見えないですし触れないため意識しづらい筋肉ですが、バレエをする上でとても重要な筋肉の1つです。
解剖学的には胸椎12番の横突起、腰椎1~5番の横突起から始まり、股関節の内側の小転子へ付着します。
作用としてはバレエでとても大切なお腹から足を長く使うような股関節の屈曲動作と、少しのターンアウト動作です。
1)
ストレッチをする側の足は股関節の真下に膝が来るように膝立ちをします。
逆側の足は股関節90°膝関節90°足関節90°の位置にします。
2)
そのまま少し重心を前方へ移動すると股関節全面のストレッチ感がでます。
3)
よくあるエラー動作としては肋骨が開いて腰が反っていたり、重心を前方へ移動する際に身体がおじぎをするように前に倒れていたりします。
これらに気を付けて行ってください。
まとめ
今回はインナーマッスルのを使って身体の引き上げができるようになるための5つのワークをご紹介しました。
バレエ上達のお役に立てれば幸いです。