バレエピラティス
バレエピラティスの主な目的
- 体幹を強化したい
- 身体の軸を作りたい
- 身体をもっと引き上げたい
- 肋骨が開くのを治したい
- 反り腰を治したい
- 猫背を治したい
- 内ももを使う感覚をマスターしたい
- 股関節の可動域をもっと広げたい
ピラティスの歴史
ピラティスはバレエダンサーから世界中に広がった!
ピラティスの語源は、開発者であるドイツ人のジョセフ・ピラティス氏の名がそのまま付けられています。
ジョセフ・ピラティス氏は1917年、第一次世界大戦中にイギリスの監獄に収容されており、
収容中にベッドの上でできるリハビリのためのエクササイズを開発し、収容所内で行っていました。
この兵士をリハビリするために生まれたエクササイズが、ピラティスの原点となります。
1919年、収容所から釈放されたピラティス氏はニューヨークへ渡り、
ニューヨークシティ・バレエ団のダンサーたちにケガのリハビリや、ケガの予防のためにピラティスのエクササイズを行い、非常に高く評価されるようになりました。
そしてピラティスの評判は広がり、
今では世界中のバレエカンパニーやバレエ学校でも活用されるようになっています。
ピラティスの歴史は100年余りですが、バレエとの関係性は非常に高いと言えます。
ピラティスとバレエの呼吸は同じ
ピラティスは胸式呼吸で行っていきます。胸式呼吸は交感神経が優位に働き、筋肉を活動的に働かせる作用があります。
息は鼻から吸って、口からゆっくりすぼめるように吐いていきます。
息を吸うときは、お腹を引き締めて肋骨、胸、背中の広がりを感じながら行います。
息を吐くときは、お腹を引き締めた状態をキープしたまま、広がった肋骨、胸、背中を元の位置へ戻していきます。
ピラティスの胸式呼吸は、体幹の深層筋である腹部インナーユニット(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群)を使う呼吸法で、バレエを踊っているときと同じ呼吸法と言えます。
身体を引き上げる感覚をマスターする
「もっと身体を引き上げて!」
レッスン中に先生から指導されることがよくあるのではないかと思います。
そこで身体を引き上げる筋肉について、解剖学的に説明をしていきます。
一般的には、腹部インナーユニット(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群)を使うと身体が引き上がると言われています。
しかし、腹部インナーユニットの働きだけは不十分で、足裏で床を押すことで身体は縦に伸びることができるのです。
身体の引き上げには以下の2点が重要となります。
- 腹部インナーユニットが働いていること。
- 足裏で床を押して、ディープフロントラインという筋膜上にある筋肉を使うことです。
ディープフロントラインという筋膜は、身体の深層部の内側から前面を走行しています。
ディープフロントラインを走行する筋肉は、足底から頚部にかけて以下のような繋がりになります。
【長趾屈筋 ⇒ 後脛骨筋 ⇒ 膝窩筋 ⇒ 内転筋群 ⇒ 骨盤底筋群 ⇒ 腸腰筋 ⇒ 横隔膜 ⇒ 頚部深層筋】
ピラティスのエクササイズの基本は身体を引き上げた状態で行っていきますので、
バレエの引き上げの感覚をマスターするには非常に効果的であると言えます。
体幹の安定性を強化する
全身の関節弛緩性が高い子どもについて理解が必要!
バレエは競技特性から身体の柔軟性が必要であり、また身体の柔軟性が高い人の方がバレエには向いているので、バレエを長く続けている傾向にあります。
一方で身体の柔軟性が高い人は、生まれつき全身の関節が緩い傾向にあります。このことを専門的な言葉では
「全身の関節弛緩性が高い」といいます。
全身の関節弛緩性が高い人は身体が柔らかい半面、身体の軸をとりづらくフラフラと不安定で、またケガもしやすい傾向にあります。
ですから、
身体の軸をつくり、体幹の安定を強化することが大切となります。
その身体の軸となる筋肉は、腹部インナーユニットの腹横筋が大きく作用しており、
腹横筋を鍛えるにはピラティスのエクササイズは非常に効果的です。
骨盤の動きをコントロールする
「骨盤を立てて!」
「骨盤を真っすぐに!」
先生からこのような指導をされた経験があるのではないかと思います。
骨盤を立てた位置、骨盤の真っすぐな位置がバレエを踊る上では正しい骨盤の位置ということになりますが、その正しい骨盤の位置を解剖学的に説明します。
立位では左右の上前腸骨棘と恥骨が水平に位置し、床面に対して垂直になるライン上にあると正しい骨盤の位置となります。
その際に坐骨は真下を向いています。
そしてバレエの正しい骨盤の位置は、ピラティスの基本姿位となるニュートラルポジションとほぼ同じ位置となります。
言い換えると
ピラティスのエクササイズをしているときは、常に骨盤が正しい位置でコントロールされていることになります。
背骨の動きをコントロールする
バレエではアラベスクやカンブレなど、背中を柔らかく使うことが求められますが、そのためには背骨、特に胸椎の動きをコントロールする技術が必要です。
ピラティスは背骨を1つ1つ動かすエクササイズが多くあるので、
背中を柔らかく使うためにはとても有効性が高いと言えます。
マットピラティスとは
ピラティスは「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2つに分かれます。
マットピラティスはマットが1枚あれば出来るので、一般的なピラティスのイメージはこちらの方かと思います。
マットピラティスは自宅でも手軽に行うことができる反面で、正しいフォームで行うことが難しく、当然ながらフォームが崩れてしまうと効果が半減してしまうというデメリットがあります。
マシンピラティスとは
マシンピラティスは、リフォーマー、キャデラック、チェアーなどのピラティスマシンを使って行っていきます。
マシンピラティスは、
マシンが正しいフォームを誘導してくれるのでマットピラティスと比べると効果を出しやすいと言えます。
そして、マシンで負荷の強弱を調整できるので、初心者からアスリートまで幅広いニーズに対応することが可能となります。
マシンピラティスのデメリットといえば、マシンのあるジムやスタジオが少ないこと、自宅で手軽に行えないことだと思います。
当院はマシンピラティスを導入
当院でピラティスを行っている目的は2つあります。
- バレエのパフォーマンス向上
- ケガを再発しない身体づくり
これらの目的にピラティスは非常に効果を発揮します。
例えば、バレエ整体の中にピラティスを組み込むことで、股関節の可動域は広がり、足が高く上がるようになります。
また、背骨や骨盤をコントロールできるようになり、反り腰、骨盤の前傾、猫背などの不良姿勢が修正され、腰痛や下肢痛の改善にも繋がります。
当院はリフォーマー、ハーフキャデラックというマシンを導入しており、マシンピラティスを行うことができます。
そしてマシンピラティスだけではなく、自宅やレッスン前にもできるようにマットピラティスの指導も行っております。