股関節が硬くアンディオール出来ないお悩みありませんか?
イラスト ゆらい
股関節が硬くアンディオール出来ないお悩みありませんか?
✅縦開脚、横開脚ができない
✅ストレッチしても柔らかくならない
✅5番ポジションが入らない
✅アンディオールしようとすると身体に力が入る
✅股関節が硬いのは生まれつきなのか知りたい
バレエを踊る上での股関節の解剖学
股関節の形状
股関節は大腿骨の骨頭が骨盤の臼蓋にはまり込む形状をしており、関節が球状のため可動域が広い関節です。
また股関節は上半身の重さを支える役割があるため、強力な3つの靭帯(腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯)で支えられています。
当ブログではバレエを踊る上で知っておいた方がよい股関節の解剖学をお伝えしていきます。
通常の股関節可動域
バレエに関係なく通常の股関節の可動域は以下の通りです。
屈曲(前)120°
伸展(後)20°
外転(外)30°
内転(内)15°
外旋(ターンアウト)60°
内旋(ターンイン)30°
バレエ動作時の股関節の動き
これらを複合的に動かしてバレエの動きは行われています。
例えば前にアチチュードする場合だと外転、外旋、屈曲が複合的に働きます。
アラベスクだと伸展、外旋が複合的に働きます。
このように股関節周囲の筋肉を複合的に使いながらバレエの動作は行われていますので、1つの筋肉が硬く縮んでしまっているとお互いが影響し合って可動域が狭くなる可能性が出てきます。
股関節をターンアウトする筋肉は?
ターンアウトの主力筋
ターンアウトの主力筋は梨状筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋から構成されている外旋六筋です。
バレエのターンアウトは外旋六筋の中でも特に大腿方形筋がメインで働くことが理想的と言われています。
ターンアウトの補佐筋
ターンアウトを補佐的に助ける筋肉としては大腰筋と大殿筋があります。
大腰筋は股関節を屈曲しながらターンアウトする筋肉ですのでドゥバンへ足を上げる時は重要な働きを筋肉です。
大殿筋は股関節を伸展しながらターンアウトする筋肉ですのでアラベスクの時は重要な働きを筋肉です。
ターンアウトを制限させてしまう筋肉は?
股関節をターンインする筋肉は大腿筋膜張筋と中殿筋、小殿筋の前部線維です。
これらの筋肉が硬く縮んでいると股関節がターンインの方向へ引っ張られますので、結果的にターンアウトの可動域は狭くなってしまいます。
オーバーターンアウト、いわゆる膝のお皿の位置よりも足先の方が外を向いているターンアウトをしていると股関節が硬くなってしまう可能性があります。
オーバーターンアウトでは床摩擦を使って無理やりターンアウトしている状態ですので股関節は内側へ戻ろうと作用しターンインの筋肉が働くためです。
反り腰がターンアウトを制限する!
骨盤が前傾して反り腰になっていると前モモの大腿四頭筋や大腰筋が縮んでしまいます。
そしてターンアウト筋である外旋六筋が引っ張られてしまいうまく働けなくなりターンアウトに制限が掛かりやすくなります。
体幹筋の腹部インナーマッスルが弱い場合も身体を引き上げがうまくできず、股関節が詰まりやすくなりターンアウトの可動域が小さくなりやすいです。
股関節の詰まりがターンアウトを制限する!
バレエダンサーは股関節の詰まりを感じターンアウトしづらくなるケースが多くあります。
単純性のもの、例えば大腿直筋、大腿筋膜張筋、腸腰筋などの筋緊張による詰まり感でしたら、マッサージやストレッチ、リハビリ等で比較的早期に回復します。
注意したいのは軟骨や関節由来の詰まり感や痛みです。
バレエダンサーに多いのは関節唇損傷です。関節唇とは股関節のストッパー、ゴムパッキンのような役割があります。
バレエは股関節を酷使しますので、この関節唇に亀裂が入ったり、割れてしまったりするケースがあり詰まり感や痛みを生じることがあります。
関節唇損傷の診断はMRIやCTの画像検査が必要となります。
股関節の詰まりや痛みが慢性化している、又は悪化しているようでしたら関節唇損傷の可能性もありますので一度検査をした方が良いかもしれません。
ターンアウトしやすい股関節の形状とは?
ターンアウトの可動域に個人差があるのは先天的な股関節の形状の違いの要素が大きく関与します。
股関節が以下のような形状をしている人は股関節の可動域が広く出ます。
・股関節の骨頭が小さくて頚部が長い
・頚体角が広い(頚体角が床と垂直に近い)
・前捻角が広い
これらの条件に加えて骨盤のヒップソケット(骨盤側の受け皿の部分)が外側を向いていると更にアンディオールの可動域は広く出ます。
股関節の形を変えることはできるのか?
骨盤のヒップソケットの位置は生まれつき決まっており変えることはできません。
大腿骨側の方は繰り返しのレッスンで若干変えることができます。
幼児期からバレエを始めた子供で10歳くらいまでの間に繰り返し股関節からターンアウトすることで大腿骨が捻れ、大腿骨の前捻角が広くなる可能性はあります。
そしてその結果ターンアウトの可動域が広がります。
まとめ
股関節からしっかりとアンディオールするためには腰を反りすぎず、身体を引き上げて、足裏で床を押せることです。
そうすることでターンアウトに必要な外旋六筋が正しく使えるようになります。
骨端線が閉じる前の子供の場合は、股関節から繰り返しターンアウトをすることで、外方向へ骨が捻れることも期待できます。
いずれにしても美しいバレエ向けの足を作るには、正しいフォームで繰り返しレッスンをしていくことにかかっています。
そして整体やトレーニングでもお手伝いができることはあります。何かご相談がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。